今回は燃料系についてまとめておきます。
330GTCはV型12気筒を3つのキャブレター(Weber 40 DFI/2)で燃料供給しています。燃料ポンプは、ガソリンタンク(トランク内)の直後に電磁ポンプが、エンジンには機械式燃料ポンプが装着されています。
電磁ポンプは始動時にキャブに燃料を送るために使い、始動後は機械式ポンプだけでもOKです。もちろんパーコレーション症状を回避したり、ガソリンが少ないときの急な坂道にも有効です。
1 キャブレター
ガソリンの配管をキャブレターに固定するため、胴体に穴の開いたバンジョーボルトが使われていますが、経年劣化でキャブ側のネジ山がもろくなっているのが心配でした。
テクニカルトートでヘリサート補修をしてもらい使っていたのですが、それでも不安がありましたので、とある雑誌で見たビンテージフェラーリの真似をしてみました。
購入直後のキャブレター
本体も周囲の状況もキチャナイですねぇ~ (笑)
対策後のキャブレター
要はキャブ本体に直接ボルト止めするのでなく、内側にもネジ切りしてある中空ボルトをキャブ側に装着し、このボルトとバンジョーボルトをギュッと絞めるわけです!
この対策以降はガソリン漏れの不安から開放されております。
2 機械式燃料ポンプ
昨年夏、電磁ポンプをオフにしているとガス欠の様な症状がみられる事がありました。パーコレーションなのか流量不足なのかを見極めるためにもオーバーホールをいたしました。OHキットは充実しており、ダイアフラム、弁、スプリング、ガスケット等々、中身全てを入替えております。
分解されたFISPA製ポンプ
原理は至って単純ですが燃圧の逃がし方など良く考えられてます。
オーバーホールキット
肝心のダイヤフラムが写ってませんが・・・
機械式ポンプはエンジン内の回転運動を外部に取出して駆動していますが、ピストン運動するシャフト部分のオイルシールが完全でなく、ポンプ下部からオイルが漏れ出ていました。
軸受けパイプにシャフトが挿入されているだけなので、クリアランスが大きくなるとどうしても漏れます!この構造では耐久性に乏しいので対策品をワンオフしてはと提案いただき、お願いしてみました。
完成した軸受けパーツ
ステムシールでオイル漏れを防ぎます。立ってる筒がオリジナル。
装着されたフロントカバー
エンジン側は加工していないのでいつでもオリジナルに戻せます。こういった仕事ができるメカさんに巡り合えて良かった~ w
3 フューエル・ホース
フューエルホースは購入当初からの懸案事項でしたがようやく綺麗にすることができました。針金を螺旋状に巻いた黄色いスパイラルホースは海外から容易に調達することが可能です。ホース両端のカラーとフィッティング金具も
ここから新調しようと思ったのですが、あまりの高額見積に再利用することにしました。(笑)
相当痛んだ状態でしたねぇ~
再利用するフィッティングパーツ
幸せの黄色いホース
1インチ$12程度だったと思いますがやって良かったです!
4 フュエル・フィルター
エンジンルーム内にある機械式ポンプ用、ガソリンタンク直後にある電磁ポンプ用、双方とも分解清掃しました。特に目詰まりもなかったため、交換はしていません。
機械式ポンプから繋がるガラスフィルター
電磁ポンプ用のフィルター
長くなりましたが以上が燃料系の作業でした。